【要注意!】その刻印、本当に金?GF・GP・純金仕上げの見分け方と貴金属売却のポイント
- おたからや戸塚店スタッフ2号
- 5月6日
- 読了時間: 10分
「昔買ったネックレス、これって本当に金かしら?」「この指輪の刻印、なんて書いてあるのかしら?」
ご自宅の整理をしていると、そんな風に思うアクセサリーや貴金属が出てくることはありませんか? 特に、デザインが気に入って買ったものや、昔プレゼントされた大切な品々。その価値が気になりますよね。

こんにちは!おたからや戸塚店です。当店は長年にわたり、地域のお客様の大切な貴金属を査定・買取させていただいております。お客様とお話しする中で、「この刻印はどういう意味?」「メッキと本物の金ってどう違うの?」といったご質問をよくいただきます。
実は、アクセサリーや貴金属に打たれている「刻印」は、その素材や品質を知るための重要な手がかりです。しかし、刻印には様々な種類があり、中には一見すると本物の金やプラチナのように見えても、実はメッキ製品であることを示す刻印も存在します。
この記事では、特に間違いやすいメッキの刻印である「GF」や「GP」、そして「純金仕上げ」といった言葉の意味について、貴金属の専門店の視点から分かりやすく解説します。お手持ちの貴金属の価値を知り、安心して売却をご検討いただくための一助となれば幸いです。
メッキ製品によく見られる刻印:GFとGP
まず、「メッキ」とは何か簡単にご説明します。メッキとは、真鍮(しんちゅう)やニッケルといった比較的安価な金属の表面に、薄い金の膜を電気や化学的な方法で付着させる加工技術のことです。見た目を美しくしたり、変色やサビを防いだりする目的で行われます。
このメッキ製品であることを示す代表的な刻印が「GF」と「GP」です。
GF刻印 (ゴールドフィルド / Gold Filled)
意味: GFは「Gold Filled(ゴールドフィルド)」の略です。「金張り(きんばり)」とも呼ばれます。
製法: 真鍮などの芯となる金属に、金の層を高熱と圧力で圧着させる製法です。GP(後述)に比べて金の層が厚いのが特徴です。
特徴: 金の層が厚いため、GPよりも剥がれにくく、耐久性があります。見た目も金製品に近い高級感があります。
刻印例:
「14KGF」: 全体の素材のうち、14金 (K14) の層が使われていることを示します。
「1/20 14KGF」: 「総重量の1/20以上が14金である」という意味です。例えば、総重量が20gの場合、1g以上の14金が表面に使われている計算になります。数字の部分は「1/10」など、製品によって異なります。
価値: GPよりは金の含有量が多いものの、芯材は金ではないため、貴金属としての資産価値は低いと評価されます。ただし、デザイン性が高いものや、アンティーク品などは、アクセサリーとしての価値が認められる場合もあります。
GP刻印 (ゴールドプレーテッド / Gold Plated)
意味: GPは「Gold Plated(ゴールドプレーテッド)」の略です。一般的に「金メッキ」と呼ばれるものがこれにあたります。
製法: 電気分解などの方法(電気メッキ)を利用して、金属の表面に非常に薄い金の膜を付着させる製法です。
特徴: GFに比べて金の層が非常に薄いため、長年の使用や摩擦によって剥がれやすい傾向があります。比較的安価なアクセサリーによく見られます。
刻印例:
「K18GP」: 表面にK18(18金)のメッキが施されていることを示します。
「24KGP」: 表面にK24(24金、純金)のメッキが施されていることを示します。
価値: 使用されている金の量がごく微量であるため、貴金属としての資産価値はほとんどありません。「K18」や「24K」という刻印があっても、後ろに「GP」が付いている場合はメッキ製品ですので、注意が必要です。
その他のメッキ関連刻印
GFやGP以外にも、以下のような刻印がメッキ製品に見られることがあります。
GEP (Gold Electro Plated): 電気金メッキ
HGE (Hard Gold Electroplated): 硬質電気金メッキ(通常より硬いメッキ)
RGP (Rolled Gold Plate): 金張り(GFとほぼ同義で使われることも)
これらの刻印がある場合も、基本的にはGFやGPと同様にメッキ製品であり、貴金属としての価値は低いと考えられます。
紛らわしい「純金仕上げ」という言葉
アクセサリーや置物、記念品などで「純金仕上げ」という言葉を目にすることがあります。「純金」という言葉が入っているため、純金でできている、あるいは価値が高いものだと誤解されがちですが、注意が必要です。
意味: 「純金仕上げ」とは、多くの場合**「純金(K24)でメッキ(GP)を施した」**という意味で使われます。つまり、製品の表面に非常に薄い純金の膜をコーティングしているだけで、中身(芯材)は銀や銅、亜鉛合金、プラスチックなど、金以外の素材でできています。
よく見られる製品: 金杯、置物、記念メダル、仏具、アクセサリーなど。特に贈答品や記念品に多く見られます。
刻印: 「純金仕上げ」と日本語で刻印されている場合や、「24K FINISH」「GOLD FINISH」といった刻印が見られることもあります。また、「24KGP」と同様の意味合いで使われることもあります。
価値: 表面の金の層は非常に薄いため、GP刻印の製品と同様に、貴金属としての資産価値はほとんど期待できません。
「純金」という言葉に惑わされず、「仕上げ」という言葉が付いている場合は、メッキ製品である可能性が高いと覚えておきましょう。
本物の貴金属の刻印は?
では、メッキではない本物の金やプラチナ、銀製品にはどのような刻印があるのでしょうか? 代表的なものをいくつかご紹介します。
金 (Gold)
純度表記:
K24: 純金(品位99.99%以上)
K18: 18金(品位75.0%) - 日本で最も一般的な金の品位
K14: 14金(品位58.5%)
K10, K9: 10金、9金
※「K」はカラット(Karat)の略で、金の純度を示す単位です。
千分率表記 (海外製品に多い):
750: K18と同じ(1000分の750が金)
585: K14と同じ(1000分の585が金)
417: K10と同じ(1000分の417が金)
ホールマーク:
日本の造幣局が品位を証明する刻印(日の丸のマークとひし形の中に純度を示す数字)
プラチナ (Platinum)
純度表記:
Pt1000 (Pt999): 純プラチナ
Pt950: 品位95.0%
Pt900: 品位90.0% - 日本のプラチナジュエリーで一般的
Pt850: 品位85.0%
古い刻印:
Pm: かつて使われていたプラチナの刻印(具体的な純度は不明な場合が多いが、Pt850程度が多いとされる)
ホールマーク:
日本の造幣局が品位を証明する刻印(日の丸のマークと四角形の中に純度を示す数字)
銀 (Silver)
純度表記:
SV1000 (SV999): 純銀
SV950: 品位95.0%
SV925: 品位92.5% - 「スターリングシルバー」と呼ばれる一般的な品位
SV900: 品位90.0% - 「コインシルバー」とも呼ばれる
文字表記:
SILVER: 銀製品であることを示す
STERLING: SV925と同じ意味
これらの刻印があれば、その貴金属が本物である可能性が高いと言えます。ただし、後述するように、刻印だけで判断できないケースもあります。
刻印が見当たらない、読めない場合は?
「刻印が見つからないんだけど、これは偽物?」 「刻印らしきものはあるけど、小さくて読めない…」
そんな場合も、すぐに諦める必要はありません。
刻印がない理由:
古い時代の製品: 刻印の義務化以前に作られたもの。
海外製品: 国によっては刻印の基準が異なる、あるいは刻印がない場合もある。
オーダーメイド品・ハンドメイド品: 製作者によっては刻印を入れないこともある。
サイズ直しなどの修理: 修理の過程で刻印が消えてしまうことがある。
刻印が読めない理由:
摩耗: 長年の使用により、刻印がすり減って読みにくくなっている。
汚れやキズ: 刻印部分に汚れが詰まっていたり、キズが付いていたりする。
このように、刻印がない、あるいは読めないからといって、必ずしも偽物とは限りません。しかし、見た目だけで素材を正確に判断するのは非常に困難です。
なぜ貴金属の査定は専門店に任せるべきなのか?
ここまで刻印について解説してきましたが、お手持ちの貴金属の価値を正確に知るためには、やはり専門家による査定が不可欠です。その理由はいくつかあります。
刻印だけでは判断できないケース:
前述の通り、刻印がない、読めない場合があります。
残念ながら、偽物の刻印が打たれている悪質なケースも存在します。
刻印は本物でも、一部だけが貴金属で他は違う金属(例えば、チェーンはK18だが留め具はメッキなど)という場合もあります。
正確な品位の判定:
「K18」と刻印があっても、本当に75%の金が含まれているか、専門的な機器(蛍光X線分析装置など)を使わなければ正確には分かりません。
比重(物質の密度の比較)を測定することでも、素材を特定する手がかりになります。
メッキ製品でも価値が付く可能性:
GF/GP刻印や純金仕上げの製品は、基本的に貴金属としての価値は低いものです。しかし、諦めてしまうのはまだ早いかもしれません。例えば、ニナリッチやクリスチャン・ディオール、シャネル(CHANEL)、イヴ・サンローランといった有名ブランドのアクセサリーは、たとえメッキ製品であっても、そのブランド価値やデザイン性、希少性から高価買取できるケースが少なくありません。 ヴィンテージ品(年代物)などは特に人気があります。
当店では、素材の価値だけでなく、ブランド、デザイン、宝石の有無、そしてお品物の状態などを総合的に評価し、適正な価格をご提示いたします。「これはメッキだから価値がない」「古いデザインだから値段がつかない」とご自身で判断される前に、ぜひ一度お見せください。刻印がよく分からないもの、ブランド品かどうか不明なもの、本物の貴金属かメッキか分からないものなど、まとめて全部お持ちいただければ、経験豊富な査定士が一つひとつ丁寧に拝見し、価値のあるものを見逃しません。
総合的な価値の評価:
経験豊富な査定士は、刻印、重さ、デザイン、ブランド、宝石の有無や品質、製品の状態などを総合的に見て、適正な価格を判断します。
私たちおたからや 戸塚店では、貴金属に関する専門知識と豊富な査定経験を持つスタッフが、お客様の大切なお品物を一点一点丁寧に拝見します。 最新の分析機器も導入しており、刻印がないものや判断が難しいものでも、正確な素材と価値を見極めることが可能です。
【事例紹介】こんなケースがありました
実際に当店であった査定の事例を少しご紹介します(※お客様のプライバシーに配慮し、内容は一部変更しています)。
事例1:GP刻印だと思っていたネックレス A様がお持ちになったネックレスには「K18GP」の刻印がありました。しかし、デザインが凝っていたため詳しく拝見したところ、チャーム部分の一部に本物のK18が使われていることが判明。メッキ部分を除いた金の価値とデザイン性を評価し、お客様も納得の価格で買取させていただきました。
事例2:刻印がなかった古い指輪 B様がご実家の整理で見つけたという古い指輪。刻印は摩耗して全く読めませんでしたが、専門機器で分析したところ、高品位のプラチナ(Pt900)であることが分かりました。予想以上の価値に、B様は大変驚かれていました。
事例3:「純金仕上げ」の置物 C様が大切に飾っていた「純金仕上げ」と書かれた縁起物の置物。念のため査定にお持ちになりました。分析の結果、銀製(SV925)の上に金メッキが施されているものでした。貴金属としての価値は銀の部分のみとなりましたが、丁寧な説明にご納得いただけました。
これらの事例のように、自己判断は難しく、思わぬ価値が見つかることも、逆に期待とは異なる結果になることもあります。だからこそ、信頼できる専門店の査定が重要なのです。
まとめ:眠っている貴金属、一度価値を確かめてみませんか?
今回は、メッキ製品によく見られる「GF刻印」「GP刻印」、そして「純金仕上げ」という言葉の意味について解説しました。
GF (ゴールドフィルド): 金張り。GPより金の層は厚いが、貴金属価値は低い。
GP (ゴールドプレーテッド): 金メッキ。金の層は非常に薄く、貴金属価値はほぼない。
純金仕上げ: 純金メッキ(GP)の場合が多い。貴金属価値は低い。
これらの刻印と、本物の貴金属(K18, Pt900, SV925など)の刻印の違いを知っておくことは大切です。
しかし、刻印の有無や種類だけで価値を判断するのは難しいもの。ご自宅に眠っているアクセサリーや貴金属、「これはどうなのかな?」と思うお品物がございましたら、ぜひ一度、私たちおたからや戸塚店にご相談ください。
経験豊富な専門スタッフが、お客様の大切なお品物を無料で丁寧に査定いたします。 素材の価値はもちろん、デザイン性やブランド価値なども含めて、最大限の評価をさせていただきます。査定だけでも大歓迎です。無理な買取勧誘は一切いたしませんので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
「タンスの肥やし」になっているその貴金属が、思わぬお小遣いになるかもしれません。皆様のご来店を心よりお待ちしております。