【コニャック格付け】「XO」はいつから?古酒に見る等級表示の変遷と眠れる価値
- おたからや戸塚店スタッフ2号

- 2025年6月5日
- 読了時間: 12分
「コニャックといえば、やはり『XO』。あの芳醇な香りと深いコクは格別だね」 「若い頃に手に入れたナポレオンクラスのコニャック、今も大事に取ってあるけれど、価値はどうなんだろう?」
紳士の皆様、コニャックを楽しまれる際、ラベルに輝く「VSOP」や「XO」といったアルファベットの等級表示を目にされることでしょう。これらはコニャックの品質や熟成度合いを示す重要な手がかりであり、特に「XO (Extra Old)」は、高級コニャックの代名詞として、特別な日の乾杯や大切な方への贈り物として選ばれてきました。
しかし、この馴染み深い「XO」という等級がいつから使われるようになったのか、そしてそれ以前はどのような等級表示が存在したのか、ご存知でしょうか? コニャックの歴史を紐解くと、そこには興味深い等級表示の変遷と、古酒だからこそ持つ特別な価値が見えてきます。

こんにちは!お酒買取専門店のおたからや戸塚店です。私たちは日々、様々なコニャックの価値を拝見しておりますが、古い時代のコニャックには、その等級表示一つとっても、歴史のロマンと驚くべき価値が秘められていることが少なくありません。
この記事では、コニャックの格付け、特に「XO」の誕生秘話から、時代と共に変わってきた等級表示の歴史、そしてそれが古酒としての価値にどう影響するのかを、専門店の視点から詳しく解説いたします。
コニャックとは?その定義と品質を支える厳格なルール
まず、基本のおさらいです。コニャックとは、フランスのコニャック地方(シャラント県、シャラント=マリティーム県の大部分とドルドーニュ県、ドゥー=セーヴル県の一部)で、特定のブドウ品種(主にユニ・ブラン)を原料とし、伝統的な銅製ポットスチル(単式蒸留器)で2回蒸留され、フランス産のオーク樽(主にリムーザン産またはトロンセ産)で最低2年以上熟成されたブランデーのことです。
この厳格な定義は、フランスのAOC法(原産地呼称統制法)によって定められており、その品質管理を担っているのが**BNIC(Bureau National Interprofessionnel du Cognac:全国コニャック事務局)**です。BNICは、コニャックの生産から販売に至るまでの全ての工程を監督し、その高い品質とブランドイメージを守っています。コニャックの等級表示も、このBNICの規定に基づいています。
コニャックの等級表示:熟成年数が示す意味
コニャックのラベルに記される「VS」「VSOP」「XO」といった等級は、ブレンドされている複数の原酒(オー・ド・ヴィー:eaux-de-vie 生命の水と呼ばれる)の中で、最も若いものの熟成年数に基づいてBNICによって定められています。
現在、主に使われている等級と、その最低熟成年数は以下の通りです。
VS (Very Special) / ★★★ (Three Stars) / Sélection: 最低熟成年数 2年。比較的若々しく、フレッシュな果実味が特徴。
VSOP (Very Superior Old Pale) / Réserve: 最低熟成年数 4年。バランスが良く、華やかさと熟成感の調和が楽しめます。
Napoléon (ナポレオン): かつてはXOと同等の最低6年熟成とされていましたが、2018年のXOの規定変更に伴い、BNICの公式な等級リストからは外れ、各メーカーの判断でXOより下位の高級品として位置づけられることが多くなりました。一般的にはVSOPより上位の熟成年数(平均6年以上)の原酒が使われます。
XO (Extra Old) / Hors d'âge (オール・ダージュ:年齢規格外の意): 最低熟成年数 10年。これは2018年4月1日以降に適用された新規定です。それ以前は最低6年熟成でした。この変更点が古酒の価値を見極める上で重要になります。
XXO (Extra Extra Old) / Hors d'âge: 最低熟成年数 14年。2018年に新設された、XOよりもさらに上位の等級です。
その他、メーカー独自の最上級品: Extra(エクストラ)、Paradis(パラディ)、Richard(リシャール)、Ancestral(アンセストラル)など、各メゾンが秘蔵の古酒をブレンドして造り上げる、BNIC規定を超越した特別なキュヴェも存在します。
重要なのは、これらはあくまで**「最低」熟成年数**であるということです。実際には、より長い熟成年数の原酒が多くブレンドされることで、各等級にふさわしい深みと複雑性が与えられています。
「XO」はいつ誕生した?その歴史的背景を探る
では、高級コニャックの象徴である「XO」は、いつ、どのようにして生まれたのでしょうか?
XOの起源はヘネシー社: 一般的に、「XO」という呼称を初めて使用したのは、コニャック最大のメゾンの一つであるヘネシー社と言われています。1870年、モーリス・ヘネシー氏が、家族や親しい友人のために、自社のセラーから非常に古い熟成を経た特別なオー・ド・ヴィーを選び出し、それを「X.O (Extra Old)」と名付けてボトリングしたのが始まりとされています。この「X.O」は、当時の他のコニャックとは一線を画す、格別の品質と熟成感を誇っていました。
高級品の代名詞として普及: ヘネシー社の「X.O」の評判は瞬く間に広まり、他のコニャックメーカーもこれに追随する形で、自社の長期熟成高品質コニャックに「XO」という名称を用いるようになりました。こうして「XO」は、特定のメーカーの商品名から、高級コニャック全般を示す代名詞へと変化していったのです。
BNICによる公式な等級としての「XO」: その後、市場の混乱を避けるため、そしてコニャック全体の品質基準を明確にするため、BNICはコニャックの等級表示に関する規定を整備していきます。そして、1983年、BNICは公式な等級として「XO」を正式に定義し、その際の**最低熟成年数を「6年」**と定めました。これにより、「XO」は法的に裏付けられた品質基準となったのです。
2018年の規定変更:XOの価値向上へ: そして記憶に新しいのが、2018年4月1日に行われた規定変更です。この変更により、「XO」の**最低熟成年数が6年から10年に引き上げられました。**これは、コニャック全体の品質イメージをさらに高め、市場における「XO」の希少性と価値をより確固たるものにするためのBNICの戦略と言えます。
つまり、「XO」という呼称自体は150年以上の歴史がありますが、BNICが法的に定めた等級としての歴史は、1983年からということになります。そして、その最低熟成年数の定義も時代と共に変化しているのです。
「XO」登場以前と、コニャック等級表示の変遷
「XO」が高級コニャックの代名詞となる以前、コニャックの品質はどのように示されていたのでしょうか?
★★★ (スリースター) / VS (Very Special): 19世紀半ば頃から、比較的若い熟成年数のコニャックを示す等級として、星の数(主に3つ星)や「VS」といった略称が使われ始めました。これは、当時イギリス市場がコニャックの主要な輸出先であったため、英語表記が用いられた背景があります。
VSOP (Very Superior Old Pale): この等級の起源は、さらに古く19世紀初頭に遡ります。1817年、後のイギリス国王ジョージ4世(当時はまだ皇太子)が、ヘネシー社に対して「Very Superior Old Pale Cognac」(非常に優れた古い、色の薄いコニャック)を注文したことがきっかけと言われています。「Pale(ペール)」とは、当時一般的だったカラメルによる着色や糖分添加が少ない、あるいは非常に古い高品質なオー・ド・ヴィーの色合いを指していたと考えられます。この注文を受けて造られたコニャックが評判となり、「VSOP」は高品質な古酒を示す等級として定着していきました。
その他の古い表記: 「Pale & Dry」(色が薄く辛口)や、特定の産地(クリュ)の良質な原酒を使っていることを示す「Fine Champagne」(グランド・シャンパーニュ産とプティット・シャンパーニュ産の原酒をブレンドし、グランド・シャンパーニュの比率が50%以上)といった表記も、古くから品質を示すために用いられてきました。
Napoléon (ナポレオン) 等級の登場: 「ナポレオン」という等級は、20世紀初頭、第一次世界大戦後頃に、クルボアジェ社がナポレオン・ボナパルトの肖像をラベルに使用し、「ナポレオン・コニャック」として販売したのが広まりのきっかけとされています。ナポレオン皇帝がセントヘレナ島へ流刑される際にクルボアジェのコニャックを携行したという逸話(真偽は定かではありませんが)も、この名称の普及に一役買いました。その後、VSOPとXOの中間に位置する高級な等級として、他のメーカーも「ナポレオン」の名を冠したコニャックをリリースするようになり、BNICの規定でもXOと同じ最低6年熟成とされていた時期が長く続きました。
このように、コニャックの等級表示は、法的に整備される以前から、各メーカーの創意工夫や市場の要求に応じて進化してきた歴史があるのです。
古酒コニャックに見る等級表示の価値と見分け方
では、古いコニャックボトルに記された等級表示は、その価値にどう影響するのでしょうか?
特級表記時代のコニャック(日本市場向け、~1989年3月まで): 日本で流通していた古いコニャックには、ボトルネックなどに「特級」と書かれた円形や四角形のシールが貼られていることがあります。これは、1989年まで施行されていた従価税制度における最高等級の証です。「XO 特級」「VSOP 特級」といったボトルは、年代が古いだけでなく、当時の高級品であったことが保証されており、コレクターズアイテムとして価値が高まります。
「XO最低6年熟成」時代のボトル (1983年~2018年3月まで): この期間にボトリングされた「XO」は、最低熟成年数が6年の原酒を含んでいました。現行の最低10年熟成のXOとは原酒構成が異なる可能性があり、特に有名メゾンのこの時代のXOは、その味わいの違いを求める愛好家や、コレクションとして価値が見出されます。
1983年以前の、メーカー独自の「XO」表記ボトル: BNICが公式等級として定める以前から、ヘネシー社などは「XO」を自社の最高級品として販売していました。これらのボトルは、まさに歴史の証人であり、非常に高い価値がつく可能性があります。ラベルデザインやボトル形状が現在のものと大きく異なることが多いです。
ナポレオン等級の古いボトル: 現行のBNIC規定では主要な等級から外れていますが、古い「ナポレオン」クラスのコニャックは、当時XOに次ぐ高級品として、あるいはXOと同等の品質を目指して造られていました。特に1970年代~80年代の有名メゾンのナポレオンは、良質な原酒が使われている可能性が高く、現行のVSOPよりも高い評価を得ることがあります。
VSOPや★★★(スリースター)の古いボトル: 「XOやナポレオンじゃないから価値がない」と考えるのは早計です。これらの等級であっても、製造年代が非常に古いもの(例:1960年代以前など)は、現行品とは全く異なる風味を持っている可能性があります。特に、今では考えられないような高品質な原酒が使われていた時代のボトルであれば、等級に関わらず高い価値がつくことがあります。
その他の年代特定の手がかり: 等級表示以外にも、ボトル形状(例:肩の形状、底の形状)、ラベルデザイン(フォント、紋章、記載事項)、キャップシールの素材(鉛製キャップは古い証拠)、そして日本に輸入されたものであれば裏ラベルの輸入代理店名などが、年代を特定し価値を見極める上で重要な手がかりとなります。
等級だけでは測れない!古酒コニャックの真の価値
コニャックの等級は、あくまで最低熟成年数を示す一つの目安に過ぎません。特に古酒の価値を判断する際には、等級表示以上に以下の要素が複雑に絡み合ってきます。
ブランド(メゾン)の評価と歴史: やはり、ヘネシー、レミーマルタン、マーテル、クルボアジェといった歴史と実績のある大手メゾンの古酒は、安定した品質とブランド力から基本的に高い評価を得やすいです。
生産者のタイプ(ネゴシアンかプロプリエテールか): ポール・ジローやジャン・フィユーのような、自家栽培から瓶詰めまで一貫して行う小規模生産者(プロプリエテール)の古酒は、生産量が少なく希少性が高いため、愛好家の間で特に珍重されます。
当時の原酒の質とブレンド技術: その年に収穫されたブドウの質、当時の蒸留技術、使用された樽の質、そして何よりもセラーマスター(ブレンダー)の卓越したブレンド技術が、古酒の味わいを決定づけます。
保存状態の良し悪し: 液面の低下が少ないこと、ラベルや箱が綺麗な状態であること、キャップシールがしっかりと封をされていることなどは、査定額に大きく影響します。
希少性と市場での需要: 現存するボトルの数、限定品であったかどうか、そして現在のコレクター市場でどれだけ求められているか、といった要素も重要です。
これらの要素を総合的に判断し、その古酒コニャックの真の価値が見極められます。
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「うちにあるこの古いXO、いつ頃のものだろう?」 「ナポレオンクラスだけど、価値はあるのかな?」
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「XO」の年代差も的確に評価: 「XO」が最低6年熟成だった時代のものか、現行の最低10年熟成規定のものか、あるいはそれ以前のメーカー独自のXOか、といった細かな違いも的確に見極め、それぞれの価値を正しく評価いたします。もちろん、ナポレオンやVSOPといった等級の古酒の価値も、年代や状態を考慮して丁寧に査定します。
ご納得いただける査定と説明: 経験豊富な専門査定士が、お客様の大切なコニャックを一点一点丁寧に拝見し、なぜその査定額になるのかを分かりやすくご説明。ご納得いただけるお取引を心がけております。
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まとめ:「XO」の歴史を知れば、古酒コニャックの魅力はさらに深まる
コニャックの等級表示、特に高級品の代名詞である「XO」は、1870年にヘネシー社によって創出され、その後BNICの公式な等級として1983年に最低熟成年数6年で定められ、2018年には最低10年へとその基準が引き上げられました。
しかし、それ以前にもVSOPやスリースターといった等級が存在し、また「ナポレオン」という等級もコニャックの歴史の中で重要な役割を果たしてきました。古いコニャックの価値は、単にラベルに書かれた等級だけでなく、その製造された時代背景、ブランドの個性、そして何よりも保存状態によって大きく左右されます。
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